medu4とAnki, Obsidianの連携方法について考察する

医学
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皆さんこんにちは。ジョンです。

先日のAnkiカードをどうやって追加していくべきか?という記事では、漠然と「最小情報単位を意識して追加せよ」ということのみで留めていました。

そんなこと言われても、よくわからない‥

今回の記事では、CBT演習を通して、実際にどの様なカードを追加していたのか、ということを紹介していきたいと思います。学習内容のStock場所としてObsidianを使用している方も多いかと思われますので、Obsidian とAnkiの併用の仕方、についても言及しようと思います。

それでは、やっていきましょう。

CBT演習の中で、medu4の口頭試問をAnkify することを行いました。まずはそれについてご紹介致します。

この記事を書いた人
じょん

2024年に医学部を卒業、現在大学病院と300床程度の市中病院のたすきがけ研修を行う傍ら、研修生活をより楽しく、パワフルに送る方法を発信しています。
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medu4口頭試問をAnkiに入れようと思った理由

medu4口頭試問とは?

まず、「medu4口頭試問」とは何か?ということについて紹介します。

講義内容を口頭試問形式で問うた1 問1 答問題集です

-- medu4テキスト 「本講座の利用法」より。太線はブログ作成者より

講義内容の中で穂澄先生が「ここは大事だ」と思った場所が詰まっている、そんな教材が口頭試問です。

どうしてテキスト本文のAnkifyではなく、口頭試問のAnkifyなのか?

今回私がCBT受験をするにあたって、この「口頭試問」を全科目やれば高得点につながるのではないか???と考えました。こちらの記事では口頭試問をそのままAnkiに入れるだけでは「最小情報単位」に沿っていない、ということに関して言及しています。

さて、テストを受ける上で、大切なことは何でしょうか。具体的には、「高得点(90%)を取るためには」何が必要でしょうか。

私はそれに対する一つの答えとして「網羅性」を挙げました。
つまり、試験範囲の中で、「この範囲は確認していなかった」という分野を限りなく少なくしたい、と考えたのです。

最終的にはスケジュールミスで泌尿器や放射線科等、一部の口頭試問がAnkify 出来ないまま当日を迎えることになりましたが、それはまた別の記事でご紹介致します。

その「網羅性」を挙げる方法として、口頭試問はぴったりでは無いか?と考えたのです。

medu4の中で、穂澄先生が重要だと思った箇所がまとまっている口頭試問。
それを全部やれば、漏れは無いはず‥

こんなことを考えていました。
(実際には口頭試問で触れられていない項目もあり、これだけでは穴があるので本当の意味で網羅性、は担保できていないことに注意。)

現在CBT受験が終了したところなので、国家試験に向けて、テキストのAnkifyも進めていこうと考えています。

AnkiとObsidian の関連のさせ方- 情報単位の違いに注目する

ここからは、AnkiとObsidianをどのようにして学習に応用させていくか、ということに関して言及します。まずはお決まりの「どうしてAnki、Obsidianを使用する?」ということから。

Anki とObsidian の使用目的を考える

AnkiとObsidian に共通することとして、「カードの情報はできるだけ少なく」ということがあります。Obsidianの場合は「1つの記事、書くこと1つ」、Ankiの場合は「1つ1つののカードは「最小情報原則に沿う」というように。

この上で、実際にどの様にしてObsidian とAnkiを使い分けていくか、ということが重要になると考えています。

先日、この様なツイートをしました。


私の認識では、Obsidian に入れる情報は、少しAnkiよりもまとまった状態であると捉えています。

Anki, Obsidian 等のソフトウェアは、自分の記憶をサポートする存在であり、それらが主体ではないということを忘れてはなりません。

AnkiとObsidian の情報量の比較- 鰓弓動脈の例から

例えばこの「咽頭弓動脈の発生過程」のノートを見てください。

こちらが、Ankify する時に参考にするObsidian Noteです。

 

そしてこれがAnkify した後の、それぞれのカード。

AnkiではHyperlinkを埋め込むことが出来るので、ObsidianのURI(目的のページに遷移するためのリンク)をカード内に挿入することで、Ankiカードを演習していて気になったときには、いつでもObsidian に戻ることが出来るようになっています。

まとめると、

  • Obsidian Notesを作成する時の意識は、「鰓弓動脈がどうやって形成されて、どの様に退縮/変化していくのか」というもの(流れの理解)
  • Ankiカードを作成する時の意識は、「鰓弓動脈の発生、それぞれの過程を暗記する」というもの(個別具体的な単語の暗記)

です。

1枚のAnkiカードにObsidian で作成した内容を全部詰め込むのではなく、分けることが重要です。
つまり、下の図のようにしまっては情報量が多い、と言いたいのです。

勿論同じ鰓弓動脈の発生、に関する知識なのですから、それぞれの知識の間に関係性はあります。

ただ、例えば「咽頭弓動脈は発生過程で6対形成される」というチャンクを脳内から引っ張り出すことに、「咽頭弓動脈の内、成体で残っているのは3つである」という知識は必要ありません。

1つのチャンクを脳内から引っ張り出す時に提示する情報は、できるだけ少ないほうが良い、と考えています。そのため、上図の様なカードは「情報量が多い」と言ったのです。

medu4とAnkiの併用方法

それでは、最初に紹介した口頭試問と、Ankiをどの様に連携させているのか、ということについて最後に触れたいと思います。medu4の口頭試問が、「1つ1つののカードは「最小情報原則」に沿う」の形式に合致していないという事実は既に述べた通りです。

その為、Ankiに入れる時には、足りていない部分を手動で補う必要があるのです。

medu4口頭試問の手直し- 糖尿病の診断基準を例に

内分泌代謝Chap6 糖代謝の口頭試問には

「空腹時血糖〇〇mg/dl、HbA1c ○%の患者、この人は糖尿病と診断できるか?」

という問題があります。
これだけがAnkiデッキに入っていても、この口頭試問を通して理解してほしいこと、つまり糖尿病の診断基準は理解できません。
なぜなら、「どれくらい血糖値が高かったら糖尿病と認識されるのか」や、「随時血糖だけで診断できるのか?」というチャンクが欠落しているからです。

この様に、そのカードを覚えるだけでは医学的事項が理解できないカードや、それだけでは情報の一義性が保たれていないカードのことを「質の悪いカード」と今後呼ぶことにします。

今回の場合は口頭試問のカードとは別に、「糖尿病の診断基準」に関するカードを何枚か作成する必要がありました(下図)

 

この作業を経ることで、口頭試問の問題(今回であれば糖尿病の診断) を解く上で必要な情報はチャンク化され、学習をすすめることが出来ます。

そして重要なことがもう一つ。

このカードを追加したり、編集する作業は、Anki演習中に行う、ということです。

別途時間を設けることもありますが、基本的にはAnki演習を行いながら、随時カードに編集を加えていきます

途方もない作業に見えますが、毎日やっていれば徐々に「質の悪いカード」は減っていきます。

個人的な経験ですが、CBT直前期にかけて新規カードを減らすことで質の悪いカードは段々少なくなっていきました。
それに伴い、1日の中でAnkiにかける時間、というのも減少していったのではないか、と考えています。

 

まとめ

さて、今回の記事では、「medu4の口頭試問って何?」「AnkiとObsidian はどの様に関連させるのか」「medu4の口頭試問とAnkiの併用方法」について触れました。

口頭試問は、あたらしいシリーズのモノを全部入れるだけで3000枚近くあります。1日に50枚ずつ新規カードを消化していくと仮定しても、60日かかるのです。

CBT対策で口頭試問を覚えよう、と考えている人は、少なくとも2ヶ月は見ておいた方が良いのではないか、と考えます。

次の記事では、実際にQBをどの様なペースで進めていったのか、ということについて紹介していこうと思います。

では!

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