皆さんこんにちは。ジョンです。
先日のAnkiカードをどうやって追加していくべきか?という記事では、漠然と「最小情報単位を意識して追加せよ」ということのみで留めていました。
そんなこと言われても、よくわからない‥
今回の記事では、CBT演習を通して、実際にどの様なカードを追加していたのか、ということを紹介していきたいと思います。学習内容のStock場所としてObsidianを使用している方も多いかと思われますので、Obsidian とAnkiの併用の仕方、についても言及しようと思います。
それでは、やっていきましょう。
CBT演習の中で、medu4の口頭試問をAnkify することを行いました。まずはそれについてご紹介致します。
medu4口頭試問をAnkiに入れようと思った理由
medu4口頭試問とは?
まず、「medu4口頭試問」とは何か?ということについて紹介します。
講義内容を口頭試問形式で問うた1 問1 答問題集です
-- medu4テキスト 「本講座の利用法」より。太線はブログ作成者より
講義内容の中で穂澄先生が「ここは大事だ」と思った場所が詰まっている、そんな教材が口頭試問です。
どうしてテキスト本文のAnkifyではなく、口頭試問のAnkifyなのか?
今回私がCBT受験をするにあたって、この「口頭試問」を全科目やれば高得点につながるのではないか???と考えました。こちらの記事では口頭試問をそのままAnkiに入れるだけでは「最小情報単位」に沿っていない、ということに関して言及しています。
さて、テストを受ける上で、大切なことは何でしょうか。具体的には、「高得点(90%)を取るためには」何が必要でしょうか。
私はそれに対する一つの答えとして「網羅性」を挙げました。
つまり、試験範囲の中で、「この範囲は確認していなかった」という分野を限りなく少なくしたい、と考えたのです。
最終的にはスケジュールミスで泌尿器や放射線科等、一部の口頭試問がAnkify 出来ないまま当日を迎えることになりましたが、それはまた別の記事でご紹介致します。
その「網羅性」を挙げる方法として、口頭試問はぴったりでは無いか?と考えたのです。
medu4の中で、穂澄先生が重要だと思った箇所がまとまっている口頭試問。
それを全部やれば、漏れは無いはず‥
こんなことを考えていました。
(実際には口頭試問で触れられていない項目もあり、これだけでは穴があるので本当の意味で網羅性、は担保できていないことに注意。)
現在CBT受験が終了したところなので、国家試験に向けて、テキストのAnkifyも進めていこうと考えています。
AnkiとObsidian の関連のさせ方- 情報単位の違いに注目する
ここからは、AnkiとObsidianをどのようにして学習に応用させていくか、ということに関して言及します。まずはお決まりの「どうしてAnki、Obsidianを使用する?」ということから。
Anki とObsidian の使用目的を考える
AnkiとObsidian に共通することとして、「カードの情報はできるだけ少なく」ということがあります。Obsidianの場合は「1つの記事、書くこと1つ」、Ankiの場合は「1つ1つののカードは「最小情報原則に沿う」というように。
この上で、実際にどの様にしてObsidian とAnkiを使い分けていくか、ということが重要になると考えています。
先日、この様なツイートをしました。
それぞれのソフトウェアに載っている情報量を糖で例える。
教科書が「グリコーゲン」
Ankiが「グルコース」
Obsidian は「オリゴ糖」という意識で作成しています。
— ジョン (@John8__8) November 28, 2021
私の認識では、Obsidian に入れる情報は、少しAnkiよりもまとまった状態であると捉えています。
Anki, Obsidian 等のソフトウェアは、自分の記憶をサポートする存在であり、それらが主体ではないということを忘れてはなりません。
AnkiとObsidian の情報量の比較- 鰓弓動脈の例から
例えばこの「咽頭弓動脈の発生過程」のノートを見てください。
こちらが、Ankify する時に参考にするObsidian Noteです。
そしてこれがAnkify した後の、それぞれのカード。
AnkiではHyperlinkを埋め込むことが出来るので、ObsidianのURI(目的のページに遷移するためのリンク)をカード内に挿入することで、Ankiカードを演習していて気になったときには、いつでもObsidian に戻ることが出来るようになっています。
まとめると、
- Obsidian Notesを作成する時の意識は、「鰓弓動脈がどうやって形成されて、どの様に退縮/変化していくのか」というもの(流れの理解)
- Ankiカードを作成する時の意識は、「鰓弓動脈の発生、それぞれの過程を暗記する」というもの(個別具体的な単語の暗記)
です。
1枚のAnkiカードにObsidian で作成した内容を全部詰め込むのではなく、分けることが重要です。
つまり、下の図のようにしまっては情報量が多い、と言いたいのです。
勿論同じ鰓弓動脈の発生、に関する知識なのですから、それぞれの知識の間に関係性はあります。
ただ、例えば「咽頭弓動脈は発生過程で6対形成される」というチャンクを脳内から引っ張り出すことに、「咽頭弓動脈の内、成体で残っているのは3つである」という知識は必要ありません。
1つのチャンクを脳内から引っ張り出す時に提示する情報は、できるだけ少ないほうが良い、と考えています。そのため、上図の様なカードは「情報量が多い」と言ったのです。
medu4とAnkiの併用方法
それでは、最初に紹介した口頭試問と、Ankiをどの様に連携させているのか、ということについて最後に触れたいと思います。medu4の口頭試問が、「1つ1つののカードは「最小情報原則」に沿う」の形式に合致していないという事実は既に述べた通りです。
その為、Ankiに入れる時には、足りていない部分を手動で補う必要があるのです。
medu4口頭試問の手直し- 糖尿病の診断基準を例に
内分泌代謝Chap6 糖代謝の口頭試問には
「空腹時血糖〇〇mg/dl、HbA1c ○%の患者、この人は糖尿病と診断できるか?」
という問題があります。
これだけがAnkiデッキに入っていても、この口頭試問を通して理解してほしいこと、つまり糖尿病の診断基準は理解できません。
なぜなら、「どれくらい血糖値が高かったら糖尿病と認識されるのか」や、「随時血糖だけで診断できるのか?」というチャンクが欠落しているからです。
この様に、そのカードを覚えるだけでは医学的事項が理解できないカードや、それだけでは情報の一義性が保たれていないカードのことを「質の悪いカード」と今後呼ぶことにします。
今回の場合は口頭試問のカードとは別に、「糖尿病の診断基準」に関するカードを何枚か作成する必要がありました(下図)
この作業を経ることで、口頭試問の問題(今回であれば糖尿病の診断) を解く上で必要な情報はチャンク化され、学習をすすめることが出来ます。
そして重要なことがもう一つ。
このカードを追加したり、編集する作業は、Anki演習中に行う、ということです。
別途時間を設けることもありますが、基本的にはAnki演習を行いながら、随時カードに編集を加えていきます。
途方もない作業に見えますが、毎日やっていれば徐々に「質の悪いカード」は減っていきます。
個人的な経験ですが、CBT直前期にかけて新規カードを減らすことで質の悪いカードは段々少なくなっていきました。
それに伴い、1日の中でAnkiにかける時間、というのも減少していったのではないか、と考えています。
まとめ
さて、今回の記事では、「medu4の口頭試問って何?」「AnkiとObsidian はどの様に関連させるのか」「medu4の口頭試問とAnkiの併用方法」について触れました。
口頭試問は、あたらしいシリーズのモノを全部入れるだけで3000枚近くあります。1日に50枚ずつ新規カードを消化していくと仮定しても、60日かかるのです。
CBT対策で口頭試問を覚えよう、と考えている人は、少なくとも2ヶ月は見ておいた方が良いのではないか、と考えます。
次の記事では、実際にQBをどの様なペースで進めていったのか、ということについて紹介していこうと思います。
では!
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