CBT対策を振り返る Part 2- 学習中に使用した教材と理由(基礎医学編)

医学
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皆さん、こんにちは。

CBT対策の振り返りもとうとうPart 2を迎えました👏

前回のPart1  では、CBT対策を振り返る上で「いやいや、それジョンしか知らないよ」という単語について、紹介しました。まだの方は読んでみることをおすすめ致します。理由は簡単、「知らない単語が一定ラインを超えると、文章の理解ができなくなるから」です↓

CBT対策を振り返る Part 1- 対策の中で登場する言葉の定義を確認する 

さて、この記事では、私ジョンが「CBT対策」の過程で使用した、または購入した教科書について紹介します。基礎医学→臨床医学→社会医学、の順に紹介していきます。

分量が多いので、この記事では基礎医学だけ紹介しています。臨床医学、社会医学に関しては、こちらを参照してください。↓

CBT対策を振り返る Part 2- 学習中に使用した教材と理由を紹介(臨床医学・社会医学編)

この記事は、こういう人におすすめ!

1. CBT対策をしようと思ったけど、どんな教科書を使ったら良いのか?と悩んでいる人
2. 基礎医学の勉強をする時にどんな教科書を使ったら?と迷っている人
それでは、どうぞ!

 

基礎医学

基礎医学の教科書は買わないつもりだったけど、気になるな!

CBTにおける基礎医学の対策方法に関しては、また別の記事で触れます。
今回は、各科目で使用した教科書と、(あれば)その選定基準に関してだけを紹介します。

分子生物学/細胞生物学…Essential 細胞生物学(第4版)

開幕そうそうなんですが、今回紹介している参考書のうち、半分は「もともと持っていた」ものです。CBTを機に必要にかられて購入したというよりは、「使用できる状況にあったからそのママ使った」というパターンもあります。

このEssential 細胞生物学などは正にその境地を行くものだと考えます。恐らくどの大学でも1年生の時期に「細胞生物学/分子生物学」なる授業が開講されていると思います。Essential ではなく、「The Cell」を指定する大学もあるようですが、学習内容は優劣つけ難いと考えます(てかあったら困る)。

生化学… ベインズ・ドミニチャク生化学

私が所属する大学はElsevier 社が提供する「ClinicalKey Student Foundation」に登録しており、Elsevier 社が販売している「ロビンス基礎病理学」「ガイトン生理学」「グレイ解剖学」等の書籍データには、ウェブブラウザで読めるようになっています。

薬理学でリッピンコットシリーズを購入したこともあり、生化学もそれを購入しようか‥と考えた時期もありましたが、大学が折角提供してくれているなら、と読み始めたら結構読みやすかったので、最後までベインズを使用しました。

解剖学… イラスト解剖学(第10版)

※ CBTを機に購入した本

大学のレジュメなどで、このテキストの図を引用している先生は多いと思います。

特徴的なデフォルメ図で好みは分かれますが、個人的な推しポイントは

  1. 1頁ごとの読み切り形式が原則となっている
    深追いしすぎることが無い(もちろんついつい面白そうなページを見つけ、読み耽ってしまうことはある)
  2. イラストが好き
    個人の趣味だが、デフォルメ図の良いところは、「真似できる」ことにあると思う。つまり、デフォルメされているが為に記憶に残しやすく、紙とペンがあれば教科書の内容を紙面に表現することが出来るのだ。デフォルメが故に厳密性に欠けることがあるので、ヒューマン・アナトミー・アトラス2021 (App storeに飛びます) などで確認することも必要だ。

発生学… カラー図解人体発生学講義ノート

※ CBTを機に購入を決意した本

発生学は、CBTを機に本格的に学習する大学と、カリキュラムとして組み込まれている大学の2つに分かれると思う。

後者の大学の場合、授業時のレジュメを引っ張り出すことでCBTレベル(三胚葉、それぞれの臓器の発生、レベル)を乗り切ることも可能なのでは無いかと思われる。(CBTレベル、を正確に表現することは難しく、多少ズレがある可能性がある)

 

私の大学は正に前者で、CBTの対策以前の発生学といえば「3層性胚盤」「3つの胚葉から分化する臓器(ドーン!)」の写真がレジュメにちらりと掲載されたくらいである。勿論「定期テスト」として勉強したことはこれまで無かった。
そのため、CBTで本格的に学習する必要があると感じていた。これが9月。

実はこの参考書を使用する前に、Qシリーズの発生学を使用していた。先輩からもらった記憶がある。
ただ、CBT QBで出題されていた「プラコード(神経管に誘導されて発生する外胚葉で、水晶体や耳の膜迷路を構成するもの)」に関する記述を発見することが出来ず、これではいけない、と生協に駆け込んだことを覚えている。(探した時にプラコードが見つかれば、そのママQシリーズを使用していた可能性もある)

書店にはラングマン発生学等、本格的なものも並んでいたが、カラー図解人体発生学講義ノートを選択した理由を以下に述べる。

  1. プラコードに関する記述があった
    これに関しては、別の参考書にも記載は絶対あるので、「この本が良い」理由にはならない。ただ、最初に手にとった本である、ということも理由としてあるだろう。
  2. 各セクションごとに5択の選択問題が有り、復習がしやすそうだった
    Ankiを用いた復習厨と化していた私にとって、復習することを意識した教科書、というのは非常に親近感が湧くものである。
  3. イラストが好き
    イラスト解剖学のときにもそうだったが、私は「読みたくなるかどうか」で本を選ぶ性質があるようだ。丁度自分でも真似できそうなデフォルメイラストが並んでおり、親近感が湧いたことを覚えている。

免疫学… 休み時間の免疫学(第2版)

※ 現在は第3版が出版されています。

CBTでは基礎医学と臨床医学の両方に「免疫」という文字が入っています。どちらも免疫に関することならば、「病気がみえる」で事足りるのでは?と思う人も多いのではないかと思います。

自分が基礎医学の分野で免疫学を学習する時に拘ったポイントは、以下の2つ。

  • B細胞/T細胞の分化から勉強したい
  • 免疫学に苦手意識がある。

まず1つ目の「B細胞/T細胞の分化から勉強したい」ということについて。個人的に基礎医学の免疫学は「サイトカイン〇〇の刺激を受けると、Th2細胞に分化する」等の事項を学習し、「SLEは3型アレルギーで全身症状が出現する…」等の事項を学習するのが臨床での免疫学だと考えています。

そして、臨床医学の免疫学は、単純な点の知識(どの様な自己抗体が、何の疾患で出現するのか等)が中心になっており、記憶するだけで得点源に出来る、という側面があると考えています。

しかし基礎医学の免疫学は、「T細胞は始めはCD4、CD8両方(-)だけど、胸腺で刺激を受けて云々‥」などとストーリー立てて理解する内容が含まれており、点の知識だけだと対応できないし、漏れが出てきそうだな、と考えました。

実際、2年生の時に免疫学(基礎)の勉強をしましたが、そのときにはマトモに教科書を読まず、過去問だけで乗り切ろうとしました。その結果、穴ぼこだらけで合格点ギリギリ、という思いをしました。

とどのつまり、私は「免疫学に苦手意識を持っている」ということです。なので、CBTだからといってリッピンコットやJANEWAY等の専門書を初めから読むと、その難易度の高さにヒィコラ言うことは分かっていました。

CBTをキッカケに休み時間の免疫学を読み直してみると、「あぁ、皮膚科でやった〇〇はそういうことだったのか」「自分は1型アレルギーについて、なんとなくでしか理解していなかったのだなぁ」と感じることも多かったです。それくらい基礎のところが曖昧だった、ということなのでしょう。

免疫学への苦手意識がなくなったとは断言できませんが、「ストーリー建てて理解する所」と「単純暗記を繰り返す所」を区別して勉強することが出来るようになったので、及第点かな、と感じています。

病理学… ロビンス基礎病理学(原書10版)

※ 病理学(基礎医学)の指定教科書であり、2年前に購入

病理学の対策で重宝したのは言わずとしれた病理学の権威、ロビンス基礎病理学です。

まずはこの本の紹介を先に行い、その後に「実際にCBT対策でどの様に使用したのか」ということについてお話しようと思います。

「総論→各論」の流れになっている

ロビンス基礎病理学(以下ロビンス)は、総論と各論、の2本立てで構成されています。

1~9章までが「総論」と呼ばれており、「炎症」「出血」「腫瘍」等、身体の臓器に関わらず共通する事項が紹介されています。

10~24章が「各論」で、総論で学習した内容の応用である「心臓だったらどういう病理像になる??」「肺だったら?」に加え、「その臓器に特異的な病理像はある??」等が掲載されています。

この教科書を選んだ理由: 「〇〇」にあったから

さて、ロビンスの構成に関して触れた後にどうして私がCBT対策にロビンスを選択したのか、ということに関してお話致します。

見出しにもあるように、ロビンスが「手元」にあったから、です。

あぁ、まだ帰らないで。これは、「他の参考書と比較していない」ということを意味します。運命論とかそっちの話では有りません。

自分にとって、基礎医学の中でも一番「医学っぽい」科目だと感じた病理学。その入門編として学習したロビンスには、思い入れがありました。
また私の大学では総論分野しか学習しておらず、捨てるには惜しい、まだ使えるはずだ、という思いがありました。

そういう背景があるからこそ、CBTで新しい教科書/動画講義 を取るのではなくロビンスを使用する選択をしたのでは無いかと思っています。

CBT QBを問題演習する中で、Medicmedia社が公開する解説だけでは不十分に感じるときもありましたが、そういうときにはロビンスに戻り、その領域を読んで理解するようにしていました。

薬理学… リッピンコット薬理学、薬がみえる③④

※ 薬がみえる③④はCBTを機に購入した本

私の大学では2年生の末(年明け頃)に薬理学を履修することになっていました。が、その当時不真面目な私は病理学/生理学をロクに理解しておらず、そんな人間が薬理学を理解できるわけもなく再試験、となってしまいました。100点満点のテストで42点だったと記憶しています。

そんな時に参考にしたのが「リッピンコット薬理学」でした。他にも「New 薬理学」「ハーバード大学講義テキスト 臨床薬理学」等の教科書が有り図書館で読み比べてみましたが、紙質と読みやすさという観点から、リッピンコット薬理学を選びました。
今から考えると、「一番初めに出会った教科書」ということも一つの理由なのかもしれないなと感じます。なので教科書を探している人は、医学部図書館にGO!!!

CBT対策を機に、本格的に薬力学、薬物動態の学習を始めました。リッピンコットの内容だけでは対応できないもの(初回通過効果や解離定数の問題)が出現し、どうにかしなくては、と思っていました。

丁度その頃、なんとなく立ち寄った購買で、「薬がみえる④」が置いてあるのを発見。前々から気になっていたこともあり立ち読みしてみると、分かりやすいのなんの。具体的には直感的に理解できるイラストや、コピペしやすいレベルで纏まった文章に一目惚れしました。

薬がみえる③を購入した理由はもっと単純です。もともと個人的にSketchy medical という映像コンテンツをサブスクしていました。英語で理解する前に日本語での理解が重要であると気が付き、抗菌薬に関して詳しく記載のある参考書を探していました。

リッピンコットでも理解は進むのですが、如何せんイラストの少なさから、イメージを掴めずにいました。その状況で「あ、そう言えば薬がみえる があるじゃン」と思い購入しました。

微生物学… わかる!身につく!病原体・感染・免疫

その他… 人体の正常構造と機能

解剖学と生理学は、けっして難しい学科ではありません。人体という1つの対象を、構造と機能という別の側面から眺めるもので、2つの学科の間には深い関連があります。そういった構造と機能の関連、全身の器官系の間の関連が見えてくると、これほど分かりやすく面白いものはありません。とはいえ、これまでの教科書は、解剖学と生理学が別々に編集されているために、相互の関連が分かりにくいという欠点がありました
– 人体の正常構造と機能 第3版の序 坂井建雄・河原克雅

まえがきにもあるように、この参考書は「解剖学と生理学の関連を意識」、つまり学問の水平統合を行っているのです。

またこの本の特徴として、1項目を1見開きに収めて解説してある、ということがあります。

イラスト解剖学同様、1つ1つの概念を理解しやすくなっていると感じています。

持論ですが、医学という学問は、例えCBTレベルの内容であったとしてもその分量は膨大で、1つ1つ点で理解しようとすると時間も脳みそも足りない、という状況になってしまうと感じています。その状況を解決する方法の1つに、学問の水平統合、垂直統合があります。

水平統合とはしばしばカリキュラムを話す時に用いられる単語ですが、今回の場合は「解剖学」と「生理学」の関連を意識しつつ学習しよう、ということです。

関連をつけることで1つの事実から、芋づる式に多くの概念を理解できるようになり、その結果沢山の量を覚え、自由自在に操ることが出来ると考えています。

この教科書と出会ったキッカケは「入学時に親に購入してもらった」というなんとも受動的な理由ですが、書籍のコンセプトは持論と合致しており、重宝しています。

CBT対策に於ける具体的な使用方法についてですが、主に「各分野の総まとめ」という意識で、直前期にパラパラと見返す、という様に読んでいました。イラスト解剖学よりは生身の人間に近いイラストが掲載されているため、例えば「気管支の構造」「馬蹄腎」等の事項に関してはこの本を参照しました。

最後に

いかがだったでしょうか?

掲載しておいてなんですが、教科書はネットで購入するべきではないと考えています。

ネットで絶賛されているからと言って、自分に合うとは限りません。

可能な範囲で実際に書店に行って、自分の目でページの密度、紙質、書籍の太さなどを感じて、自分にマッチしてから購入する、というのでも遅くないと感じています。

わざわざ自分で購入しなくても、「図書館で必要な時に参照する」というレベルで十分な本もあると思います。

「この科目不安だな~、どんな教科書を使って対策すれば良いんだろう‥」と思ったそこの貴方、この記事を読んだ後に、まずは大学内の購買や、医学書籍取り扱い書店にダッシュしてみよう!!!👊👊

CBT対策を振り返る Part 2- 学習中に使用した教材と理由を紹介(臨床医学・社会医学編)

も良ければチェック☑してみてくださいね!

ではまた。

コメント

  1. […] CBT対策の他、AnkiやObsidian 等、デジタルノートテイキングに関してこのブログでまとめて行く予定です。 「Ankiの〇〇はどうなんじゃい」などあれば、TwitterのDM、質問箱等で送って来ていただければ、死ぬ気で対応します。 […]

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