「良いお医者さん」は誰が決める??

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例えば、こんな場面を想像してほしい。

あなたが働く病院に、2人の患者さん(それぞれAさん、Bさんとする)がやってきた。

Aさんに対しては、最善の医療を尽くした。

Bさんに対しても、最善の医療を尽くした。

Aさんから、「二度とくるかこんな病院!! 」と言われた。
私の態度には問題がなかったはずだ。

Bさんは口コミで「〇〇(私)先生は素晴らしい先生でした。とても親身に対応してくださりました。」と述べている。
Aさんと同じ様に接したつもりだ。

 

〇〇(私)は、Aさんにとっては「悪い医師」、Bさんにとっては「良い医師」なのである。
良いか悪いか、の判断基準は自分ではなく、自分が対応した患者が握っている。

では、その判断基準を、自分が握ることは可能だろうか。

そのためには、医学ではなく心理学、哲学、経済学etc..等、「人間を知る」必要がある。

一般的に人間はどの様に考えるか。
αという態度を取られたら、どう感じるか。
βならばどうか。γなら、Δなら………。

これを知らなくてはならない。

例えば、糖尿病と診断された患者を想定してみよう。

医師が提示するかどうかは兎も角として、患者には2つの選択肢が存在する。

  1. 何もしない(血糖値は今のまま、もしくは今よりも高い状態が予想される)
  2. 血糖値を下げる為に努力する。

この時、医者に出来ることは何か。
血糖値を下げる、の一言を達成するには、多大なる苦痛を伴います。
今まで食べれていたものが食べられない。我慢しなくてはならない。

頑張ったらどうなるのか。
血糖値が下がる。

下がるとどうなるのか。
動脈硬化や神経症状、眼症状など、血糖値が高いが故に起こる合併症を防ぐことが出来る(正確には、合併症が起きる可能性が下がる)

 

我慢したのに血糖値が下がらない。我慢して血糖値が下がったのに、合併症が出現した。

その時、医学は何が出来る?

「それはお辛いですね」

 

最後にこの歌を。

役立たずと罵られて 最低と人に言われて
要領よく演技できず 愛想笑いも作れない
–ロクデナシ, THE BLUE HEARTS

 

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